イギリス ウェールズ地方 2000.6.6 - 2000.6.11

ウェールズにて

ウェールズ人とウェールズ語

ウェールズ地方の地図を見ていたとき、地名を見て、これは絶対印刷ミスだと思った。少し考え直して、もしかしたらキービードでタイプする時、間違えて指が右か左にずれてしまったに違いないと思った。

恥ずかしいことだが、ウェールズに来るまでイギリスの一部であるウェールズ地方の一部では、ウェールズ語が話されており、英語は多くのウェールズ人にとって第二外国語である事を知らなかった。家庭ではもちろんウェールズ語が使われ、学校の授業もウェールズ語で教えられる。6歳になった時初めて英語の勉強を始めるのだ。

ウェールズ人は自分達はイギリス人とは違うということを誇りに思っている。イギリス王国の一部ではあるが、ウェールズ語を大切に守り、ウェールズでは道路標識も全て、ウェールズ語と英語の両方が表示されている。

電話回線が使えない!

まさかイギリスに来て、電話回線の確保に困ると思わなかった。個人的な経験では、インターネットカフェでは自分のコンピュータを持ち込めない場合が多く、また宿泊先では電話回線が家に1回線しかなく、迷惑がられる所もあるし、また快く使わせてくれてもじゃまにならない時はいつだろうと考えると、なかなか使えない。

数日宿泊したロンドン郊外の友人宅には、まだ電話回線が引かれてなかった。

最後の手段は、更新したいホームページのファイルをフロッピーにコピーしておき、インターネットカフェでFTPソフトを使ってアップロードすることだ。

オクスフォードの町のインターネットカフェのコンピュータでは、なぜか日本語のホームページがきちんと表示出来て、私のホームページの掲示板を読むことが出来た。掲示板の書き込みを読むのは、旅の楽しみのひとつでもある。書き込みしてくれた皆さんありがとう。

運良く、南ウェールズで宿泊したB&Bでは、快く家の電話回線を使わせてもらえた。イギリスに来て初めてメールのチェックが出来た。

イングランドとウェールズとスコットランド

United KingdomBritain はどう違うのか。England(イングランド)とWales(ウェールズ)とScotland(スコットランド)はどう位置付けになっているのか。どうも分からない事が多い。ある町の観光案内所のゲストブックの国籍欄を見ると、English(イングランド人)、British(イギリス人)、Welsh(ウェールズ人)、Scotts(スコットランド人) などと書き込みされていてますます訳が分からなくなった。

何人かの人に質問した結果、次のようなことが分かった。

United KingdomBritainは同一の意味をもつ。昔は Great Britainということが多かったが、最近はUnited Kingdomと呼ぶことが多い。United Kingdomはイングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドで構成されている。スコットランドは独自の議会を持っているが、ウェールズにはまだない。ただし、多くのウェールズ人は将来的にはウェストミンスター(ロンドンにあるイギリス王国の議会)とは別の議会を持ちたいと希望している。

混乱をさけるため、このホームページ上では、EnglandまたはEnglishをそれぞれイングランド・イングランド人、BritainまたはBritishをそれぞれイギリス・イギリス人と区別している。

日本人が国籍欄に「関西人」とか「埼玉人」という書き込みをすることはまずないだろう。現在、表向きはイギリス国民として統一されているような印象を受けるが、古い昔から続く民族間のわだかまりは、ニュースでときどき取りざたされる、北アイルランドの過激派だけでなくて、国のあちらこちらで存在するようだ。

誇り高きウェールズ人エイリアーンの嘆き

エイリアーンはB&Bの経営をしながら、女手一つで二人の男の子を育てている。ご主人が亡くなってから、母親に子供たちの面倒を見てもらいながら、大学に入りなおし卒業した。そんな、彼女の家庭ではウェールズ語のみが話される。

最近、彼女の住む地域では、多くのイングランド人の金持ちが、セカンドハウスとしてウェールズの家を買っている。その結果、家の値段があがり、ウェールズ人の新婚夫婦が家を買えなくなっている。金持ちのイングランド人と比べて、ウェールズ人の若夫婦は銀行からのローンもとりづらい。

数ヶ月に1回、やっとの思い出とっている休暇で海辺の街へ出かけた。港にはお金持ちの何千万円とするヨットが数多く停泊している。持ち主のほとんどはイングランド人だろう。エイリアンは言う。「ヨットなら納得できる。でもイングランド人がセカンドハウスを買うために、ウェールズ人が家をもてなくなるのは、納得できないのよ。」

ブレコン・ビーコン国立公園
(Brecon Beacons National Park)

南ウェールズ地方の国立公園の最高峰(とはいっても886メートルの)ペン・イ・ファンへ向かうハイキングコース。あちこちにかわいい羊のすがたが白く点々と見え、まるで白い野生の花が咲いているようだった。

ペン・イ・ファンの頂上

標高は低いが周りの眺めはなかなか良い。ウェスの後ろに見えるのがブレコンの町。

多くの羊が親子で仲良く行動している。悪いお母さんが、ものすごい崖に子羊を連れて行ってしまい、子羊が立ち往生している場面も。このお母さんはかしこく、平坦な丘で草をはんでいた。

ウェールズのお城

写真はCaernafron

ウェールズには、13世紀末にイングランドのエドワード1世がウェールズを征服した後、イングランド人入植者を守る為、またイングランド王の勢力を見せつける為に、建築した城が数多く残る。ウェールズ人は未だにイングランド人を侵略者と思っているむきがある。

 

Mount Snowdon 登頂

イングランドとウェールズの中での最高峰がスノードニア国立公園内のスノードン山だ。

標高の低さをばかにしていると、とんでもないことになる山である。6月でも気温が低く、風がかなりつよい為、冬用のジャケットを着ていても寒い。

嵐がやってきたり、滑ったりして亡くなる人が毎年何人もいると教えてくれたのは、下の写真のウェールズ人のニックだ。

寒くて、風にとばされそうになる以外は、コース的にはそんなに難しくない。パンフレットによると5時間半かかるといわれているが、3時間半で帰ってこれた。

頂上へいく道はいくつかあるが、その中でいちばんチャレンジングだと書いてあった、Pyg Track から登山した。

ウェスは物足りなかったようで、帰りはほとんど人のいない峰沿いの道を選び、途中で道がなくなり、怖い思いをしながら崖を伝って降りてきた。


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