フランス ニースとその近郊 2000.10.27 - 2000.11.10

紺碧海岸とフランスのお得な宿情報

地元のお宅拝見

Chasteuil 村から寝不足でふらふらの頭で、ウェスの友人マリオのお兄さん宅へおじゃました。マリオからお兄さん夫妻はお客さんが来るのが好きだから、きっと私達のことを家族のように歓迎してくれるよと言われていたが、その言葉に偽りはなかった。

私はフランス語はまったくしゃべれず、ウェスが片言でなんとか3歳の子供の会話が出来る程度だ。旦那さんのジャン・ルイはまったく英語がしゃべれず、奥さんのイヴリンは英語の単語をいくつか知っている状況ながら、彼らはいろいろな事を教えてくれた。

料理上手のイヴリンからは、フランス料理やプロバンス風料理の作り方をいくつか、狩人でもあるジャン・ルイからは近くの山で取れるきのこのことと、ブール(南フランスで人気の球技)のやりかたを教わった。ワインビネガーの作り方をイヴリンから聞いていたら、ジャン・ルイが地下室に貯蔵している秘蔵のお酢のもとを少しおすそ分けもしてくれた。

また、イヴリンはわざわざ英語がしゃべれるニースにいる友人宅の家まで夕食に連れて行ってくれて、そこでも楽しいひと時を過ごした。次の週にニースの家を借りて10日間滞在する話をしたら、また夕食へ招待してくれ、その時は私は和風サラダを作って持参した。初めて会う人々にこんなに親切にしてもらい、とても印象に残る滞在となった。コートダジュールには2週間程いたが、ちょっとすましたリゾート地のことよりも、地元の人々の暖かい歓待を受けた思い出が旅のハイライトとなった。

フランスのお得な宿情報

ニース郊外の Saint Isidore にて一軒家を10日間借りて、そこをベースにコートダジュールの町と南アルプスへのハイキングをすることにした。一軒家を借りるというとかなりのお金がかかりそうに聞こえるが、観光シーズンから外れていることもあるが実際には安い地域で一週間900フラン位(約12800円、一人一泊914円)から、私達の借りたニース近郊の家は1週間1800フラン(約25600円、一人一泊1830円)で借りられ、自炊が出来て食費が安上がりなことを考慮するとかなりお得であると言える。また家に2人で泊まっても6人で泊まっても料金は同じなので、家族や友人同士でわりかんするともっとお得になる。

家を探すのは、Gîtes de France というフランスの宿泊斡旋機関が出版している本を参考にした。目的別または地域別にかなりの種類の本があるが、私達が利用したのはプロバンス地方のB&Bの本(Chambre et Tables d'Hôtes)と、フランス全土のバカンス用の貸し一軒家の本(Gîtes Ruraux)の2冊である。他にはキャンプ用のガイドや釣り人用・乗馬が好きな人の為の専用ガイドなどがあり、フランス全土をカバーしているもので10冊、地域別になると95冊もある(2000年度時点)。私たちはAix-en-Provenceの本屋にて購入したが(プロバンスのB&Bガイドは Aix-en-Provence のB&Bでもらった)、メールオーダー等も可能のようだ。連絡先は以下の通り。

Gîtes de France
59, Rue Saint-Lazare - 75439 Paris Cedex 09
電話番号:+33 1 49 70 75 75 
FAX: +33 1 42 81 28 53
http://www.gites-de-france.fr

オリーブ漬けの出来るまで

南仏のシンボルのひとつであるオリーブの木はまるで雑草のようにあちこちに生えている。知人の紹介で知り合ったニースで生まれ育ったフランソワーズと一緒に散歩に行き、空地にたくさん生えているオリーブの木からオリーブ実を収穫し、オリーブの漬け方を教わった。オリーブの実は生のままでは食べられず、次のように40日間に渡ってじっくりと漬け込んでようやく食べ始められる。

まずオリーブの実を10日間、毎日水を取り替えながら水に浸す。11日目に水一リットルに対し、塩100グラム(これは他の知人によると多すぎで60グラムにすべきだとの意見がある)を混ぜて約一ヶ月間付け込む。一ヶ月経って味見して、渋みがなくなったら食べ始める。

ニース郊外に10日間借りた家の庭にはオリーブの木が2本あり、大家さんからオリーブの実を好きなだけ取っていいよと言われたのを幸いに、私もオリーブの実を収穫しオリーブ漬けを作ってみる事にした。結果は40日後以降にしか分からないが、初めての体験でわくわくしている。お味の程は、後日報告する予定である。フランソワーズ曰く、お店で買った方がおいしいのだが、自分で作る醍醐味には替えられないそうだ。味はあまり期待しないほうが良いかもしれない。

コートダジュールの町

モナコに一歩足を踏み入れると、場違いな所に来てしまったと思ってしまった。モンテカルロのカジノの前には私たちは絶対買えないような高級車が所狭しと行列し、高級住宅街にはいかにも金持ちそうな人々が行き交っている。町のお店は高級ブランド店が並び、観光客も着飾っている人ばかりで、私たちには入る余地なしだ。出来ればさっさと退散したい所だが、ロンドンから週末を過ごす為合流したティムがギャンブルをしたかったので思いがけず長居することになった。私は暇つぶしにカジノで人間ウォッティングをした。信じられない位の大金をどんどん賭けている人々や若くてきれいな女性を傍らにカジノのテーブルを貸しきりにして賭けている初老の男性を遠目に見ていると、なんだか自分とは無関係の世界に紛れ込んでしまった気分になった。

ニース近辺のコートダジュールの町は、かわいらしい Èze を除いてどうも好きになれる場所が見つからなかった。この辺りにはハイテク企業が進出しているので、将来住む候補地として視察する目で見て周ったが、どうも混みすぎていて町の人々も始終気が立っているような印象を受けた。11月の閑散期にこの様子ではいったい夏の観光シーズンまっさかりはどういう状態なのだろうか。プロバンスはすぐ裏にあり、アルプスまで日帰りでハイキングへ行ける信じられない好条件なのだが、世界に名だたるコートダジュールで静かな町を探そうというのが所詮無理なのだろう。

唯一の例外はカンヌの西にあるMassif de l'Estérel だ。海沿いのN98号線からは、この赤い岩山と松・樫・ユーカリの木に囲まれたすばらしい風景が充分に堪能できる。11月は道も空いていて、道沿いに時々現れる小さなリゾート地もさびれた感じがする。しかし、夏はこの道も観光客で渋滞していて運転するには一苦労するようだ。


グラス

グラスでお世話になったジャン・ルイとビトにブールの一種であるペタンクを教わるウェス。南仏に来て以来どの町や村に行っても、どこかでブールに熱中する人々(主に男性)の姿を見かける。的である赤いボールにどれだけ近く投げられるかが勝負。

グラスでお世話になったジャン・ルイの庭にはオリーブの木が何本もある。12月になるとオリーブオイルを作るために木の周りにネットをはって大規模な収穫をするそうだ。

ニース

ニース北部の丘から眺めたニースの町並みと地中海。ニースの町は遠くの丘からみるのが一番きれいで落ち着いて見える。町自体はいつも混んでいて疲れてしまった。

地元の人に教えてもらったニースで一番おいしいシーフードが買えるお店(Café Turin) 。ここで買った生牡蠣が新鮮でとてもおいしかった。お店で食べることも出来る。
Èze

地中海から400メートルほどの丘の上にたつ小さな町 Èze はおしゃれでかわいい町。コートダジュールの町の中で一番日本人観光客を見かけた所でもある。
Mercantour国立公園

ニースから南アルプスの一部である Mercantour 国立公園へまでは、車で1時間位で行くことが出来る。地中海沿岸は温暖な気候でも、ここはすでに雪が積もり始めている。週末を利用してロンドンから合流した友人のティムと私。

氷の張る Lac de Trécolpas を見下ろしながら、イタリア国境方面を眺めるティム。

Chamois(かな?)の一群を見かけた。このきびしい環境ではこれから餌を見るけるのはどんどん難しくなるのだろう。
カシス
本来ならばカシスはコートダジュールではなくプロバンス地方に入るようだが、ニースの直後に訪れた事と、ニースと同じ地中海沿岸の町なのでこのページに一緒に掲載することにした。マルセーユの東にある比較的小さなリゾート地であるカシスからは、海岸沿いの起伏のある土地に登山路が設置されている。紺碧の海を眺めながら、野生のタイムとローズマリーの香りに囲まれての山歩きは他では味あえない醍醐味がある。

カシスの町の港。背後の崖の上には城が建っている。この写真では見えないが、この城のある崖の後ろにはフランスで一番大きい崖がそびえている。

今回のハイキングの開始点である小さな小さな港町 Morgiou には、カシスから船でいけるとのことだが、船酔いする私たちはタクシーで行くことにした。しかし山道をものすごいスピード出して運転するタクシーでもちょっと車酔い気味でどっちもどっちだなと思った。

約6時間のハイキングコースからは地中海がいろいろな表情を見せてくれる。小さな海岸をいくつか通り過ぎたが、中には一体どうやって降りたのだろうかと不思議になるような崖に囲まれた海岸で日光浴をしている人を崖の上から見かけた。

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