フランス プロバンス地方アプト近郊 2000.10.17 - 2000.10.23

プロバンスの秋

ラベンダーやひまわりの花は見れないが、観光客の去った後の秋のプロバンスは、とても魅力的だ。ハイキングに出かけてもほとんど人に会うことがなく、紅葉の始まった山々や、乾燥していて比較的温暖な気候をのんびりと堪能できる。

雨模様の続いていたミュンヘンから飛行機で2時間で、マルセイユ空港に到着した。空港で車をレンタルし、そのままAix-en-Provenceまで運転して2泊した後、Luberon地方へやって来た。この辺りは、景色が美しいだけでなく、人々が優しく、食べ物がおいしく、まるで天国へやって来たみたいだ。今までじろじろとぶしつけに見られたり(スイス・オーストリア)、無視されたり(スイス)、まずい食べ物ばかり食べたり(ブダペスト)していた国々を思い出して、ようやく将来住んでみたいと思える所に出会うことが出来、幸福感に浸る毎日を過ごしている。

長生きしたほうが勝ち

アプトで宿泊したB&Bのオーナー夫妻は、フランス独特のシステム(名前は忘れた)を利用して家を購入した。このシステムでは、老齢の家主から市場価格よりかなり格安で購入することができる。唯一の障害は老家主が死ぬまで自分の家にならないことだ。そして多くの場合、老家主は購入者の家族と一緒に住むことになるようだ。

老齢の家主は死ぬ前にまとまった現金が手に入り好きなことにお金を使える上に、死ぬまで自分の家に住みつづけることができる。新しい購入者は家主が死ぬまで家にいるとはいえ、通常の状況ではとうてい購入できない物件が格安で手に入る。

このシステムが自分に都合よく働く場合もあるが、そうでない場合もある。アプトのB&Bのオーナーの場合は、残念ながら後者のようだ。購入後に分かったことだが、家主の老女は街中に知れた悪女で、みんなから「なんであの人から家を買ったの?」と驚かれたという。B&Bの客にはにこやかに対応している老女だが、B&Bオーナー夫人によるとこの老女は彼女とご主人を潰そうとしているそうだ。

そういわれてみると、まるで老女にエネルギーを吸われているように、中年のB&Bオーナー夫妻は二人とも顔から疲れが出ており、100歳以上長生きしそうなエネルギー溢れる老女に比べて、かなり元気がない。いったいどちらが長生きするのだろうか。


アプト

毎週土曜日に開かれる、アプトの市場。ここで買った新鮮な野菜で作ったスープは、驚くほど甘い味がした。他にはチーズ・オリーブ・ハム・スパイス・雑貨等を売っている。とても大規模で楽しい市場である。プロバンス地方ではここ以外にも毎日どこかで市場が開かれている。
Rustrel

アプトから車で20分位の所にある、Rustrelという街からブドウ畑の中を歩くと鮮やかな茶褐色の土が侵食して表面に出てきている地域がある。この色がプロバンスの家々の壁に使われているまさにプロバンスの色であった。

プロバンス地方を題材に何冊かのベストセラーの本を書いたピーター・マイルが著書で薦めていたパン屋の前でに喜ぶウェス。「パン買ってる現地の人に見える?」と聞かれたが「どっから見ても観光客。」と答えた。現地の人はパン屋の前で写真は撮らない。

Gordes

Aptから20キロ西にあるGordesの町が突然目に入った時は自分の目を疑った。こんな山の上にこんなにきれいな建物が所狭しと並んでいる。太陽の下で白い家々がまぶしく輝いて見えた。
Roussillon

アプトから11キロ、Gordeから9キロの町Roussillonであやざかな赤とオレンジの土壌が見える。町中がこの近辺の赤い色の石を使っている。

戻る2000年旅行記目次ヨーロッパの地図ホーム

  Copyright © 2000-2002   Wes and Masami Heiser.   All rights reserved.