エジプト ダハブ 2001.05.05 - 2001.05.11

紅海で一休み

ヨルダンから逃げるようにフェリーでエジプトへ向かった。動いているのか止まっているのか分からないほど、のんびりとフェリーは進み、50キロの距離を約4時間かけて、エジプト・ヌウェイバ港に到着した。港に着いてから、私達外国人観光客はひとまとめにされ、エジプトビザを受け取る間ずっとツーリストポリスのエスコート付で自由に行動ができなかった。すでにエジプトビザを持っている観光客もなぜか港の外に出るのを許されず門の中に捕われの身であった。私達が全員ビザを受け取った後も、なかなか外に出させてもらえない。ツーリストポリスの一人に何を待っているのと聞くと、もうバスがないから乗合タクシーが集まるのを待っているという。

しばらくして、ようやく港から開放されると、門の外にはタクシーの運転手達が待ち構えていた。ガイドブックにはヌウェイバからダハブまでバスで10ポンド、乗合タクシーで10から12ポンドと書いてあるが、どの運転手に聞いても20ポンドという。ツーリストポリスも含めて、これはみんなぐるになっていると気がついたが、交渉の余地はなさそうだ。その時3人の韓国人グループがタクシー運転手から歩き去るのが目に入った。そうだ皆で町の方向に歩き去ろうとすれば運転手達があわてて値段を下げるに違いないと思い、周りにいたバックパッカー達に「みんなで歩き去ろうよ。きっと値段が下がるよ。」とウェスと二人で叫ぶと、うれしい事にほとんど全員が私達の後ろを着いてきてくれた。簡単に高い値段でビジネスが出来るとほくそえんでいたタクシーの運転手は、急に慌て始めた。私達が10ポンドなら行くと言い続けると、ミニバンの運転手が仕方なく承諾した。勝った!!!

ダハブに着いてから、まだ泊まる所を決めていない7人が一緒に、荷物番と宿探し担当に分かれ、ダハブの町の中のほとんどのホテルを見て周り、一番良くてお得なビーナスキャンプに落ち着いた。

ダハブのビーチはじゃりがごろごろしていて決してきれいとは言えないのだが、宿からシュノーケルを借りてちょっと泳ぎだすだけで、今まで見たことがないようなカラフルな魚達や珊瑚とご対面出来る。またビーナスキャンプでは海に面したとても落ち着けるラウンジエリアがあり、次の6日間シュノーケルや散歩に出かける以外は、ほとんどこのラウンジエリアで本を読んだり、ホームページ用の日記を紙に書いたり、昼寝したりして過ごした。

しかしぐてぐてしていたのは私達位で、シリアから一緒に旅行しているライアンとミニバスで出会ったカークとモーレンの3人は上級ダイビングのライセンスを取得した。町のダイブショップを全て訪れた彼らが選んだのは、Sea Dancer。値段と信頼度両面でとても満足出来る選択だったようだ。

私達7人が毎晩夕飯食べに訪れたのは、Sharkというレストランだ。値段が安くボリュームがあって、おいしく、おまけに客を信頼して会計は自己申告制というのがおもしろい。注文をレジでして、海を見ながらソファーでリラックスしながら食事した後は、それぞれ自分の食事の合計がいくらかを自己申告してお金を払うのだ。中東を旅行している間、お店の人にぼられないよう四六時中気をはっていた後だけに、このシステムはさわやかな風のようだった。海沿いにはしつこい客引きがいるレストランがたくさんあるのだが、毎晩一杯なのはこのシャークレストランだけなのは、食事の安さやおいしさだけでなく、お客とお店の人がお互いを信頼し合えるというところからきているのであろう。

ダハブに滞在中、神がモーゼスに十戒を授けた所とされるシナイ山へ日帰りで出かけた。シナイ山頂上から日の出を見るのがメインイベントだ。宿を夜11時に出発し、シナイ山のふもとには2時頃着いた。ガイドブックによると頂上まで1時間半かかるという。日の出が6時半位としても登り始める早すぎるので、ふもとでしばらく待つことにした。待っている間ツーリストポリスに登るのは2時間半かかると言われたので、早めに出発すると案の定1時間半しかかからなかった。ふもとでは暖かかったのだが、頂上では信じられないくらい寒い。防寒ジャケット、フリースジャケット、雨具等全て着ても寒いくらいだ。寒さに凍えながら1時間位待っていると、ようやく空が明るくなってきたが、天気が悪くてきれいな日の出は見れなかった。シナイ山に登る観光客の数にも驚いたが、それよりも目障りなのは、らくだ使いの男達だ。5分おき位に「らくだ!らくだ!」としつこく声をかけてくる彼らの存在でこの登山の印象がかなり悪くなった。

6日後、カイロに向かうカークとモーレンと分かれて、おなじみのライアンとフランス語圏カナダ出身のステファニーとエリックの5人でアスワンに向かった。


ダハブ

ビーナスキャンプのラウンジエリアでくつろぐ、ライアン・私・モーレン・カーク。後ろに見えるのは、色とりどりの魚に溢れる紅海。

シナイ山登山

左から、ライアン・エリック・カーク・モーレン・ウェス・私。シナイ山の頂上にて。

シナイ山のふもとにある聖キャサリン僧院の前で仮眠をとる皆。

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