中国 雲南省・虎跳峡 2002.5.12 - 5.15

虎跳峡トレッキング

虎跳峡は金沙江(長江)から尾根までの標高の差が3000メートル以上もあり、世界でもっとも深い渓谷のひとつである。北には標高5396メートルの哈巴雪山、南には5596メートルの玉龍雪山とその連峰が聳え立ち、晴れた日の眺めはすばらしい。

ここも観光化が進み、以前は歩いて渡るしか方法がなかったのだが、今は車が通れる道路が半分まで開通し、残りの半分は工事中である。ほとんどの行程を車で送ってもらい、虎跳峡のごく一部を歩くツアー客も増えてきた。以前は宿泊出来るゲストハウスも数が限られていたが、現在はだいたい2時間おき位にゲストハウスがあるので、ルートの設定も自由に出来るようになった。車で訪れる観光客が多くなったとはいえ、歩いてしか通れないハイ・ルートからの眺めはすばらしかった。賛否両論のある虎跳峡トレッキングだが、私達は行って本当に良かったと思った。

虎跳峡トレッキングで一番楽しめたのは、ハーフウェイ・ゲストハウスの裏からほぼ一直線に哈巴雪山方面に登るルートがあり、その登山道沿いに約6時間かけて標高3800メートルあたりまで登った日帰りハイクである。往復で約8時間かかり、ゲストハウスの標高は約2400メートルなので、3000メートルを越えたあたりからは高度の影響で、頭がふらふらして息を整えるのにも努力が必要となった。しかし、普通の登山道からは他の山に隠れて見えなかった雪山が姿を現し、つつじ科の花々が花盛りで、休憩を取るたびにこの周りの美しさに息を呑まされた。

虎跳峡トレッキングのルートには、いくつかのオプションがある。大具村から橋頭村まで数日間歩くオプション(1)、これを逆に歩くオプション(2)、橋頭から歩きまた橋頭まで戻るオプション(3)だ。虎跳峡全てを歩いてみたい場合は(1)か(2)のオプションとなるが、トレッキングを終えた後の交通の便を考えると、(1)の方が断然便利である。トレッキング開始日は大具へも橋頭へも、朝早くから麗江発のバスがある。しかし午後のバスは橋頭からはかなり頻繁に5時頃まで(6時半という話もある)麗江へ戻るバスが出ているが、大具からは朝の8時の後は、運がよければ午後1時半にバスが出るだけである。なので、大具の町に不必要に1泊せざるをえなくなる可能性が高い。私達が大具の町に着いた時には、雨が降っていたせいもあるかもしれないが、ちょっと陰鬱な感じの村であった。

大具と橋頭間にある、核桃園から大具にかけて大掛かりな道路工事が行われている。以前は歩いて通るしか方法がなかった道が、車の通れる道へと作り直されている。この道路を通らずに行く方法があれば、歩くのも楽しいが、将来道路が完成された後にこの道を歩く魅力は激減するだろう。

そうなると橋頭から出発し、橋頭へ戻るというルートが一番人気になっていく可能性が高い。バスが核桃園近くまで出ているようなので、行きは下のルートをバスで、帰りをハイ・ルート(標高の高い所を通り車は通れない)を歩いて橋頭まで戻る事も可能だし、またハイ・ルートを歩いて核桃園まで行き、帰りは車を呼んでもらい橋頭へ戻る事も可能のようだ。私達は大具から橋頭まで歩いたが、大具から核桃園の間は他と比べるとあまり魅力的な区間とは言いがたかった。

手前に見える岩に彫られた道は、虎跳峡ハイ・ルートの一部。渓谷はあまりに規模が大きく、写真に収まらないのが残念だ。
虎跳峡ハイ・ルートを歩く途中で通り過ぎるきれいな滝。
ハーフウェイ・ゲストハウスの裏からほぼ一直線に哈巴雪山方面に登ると、標高3800メートル辺りで見晴らしの良いところに出る。ここから見える雪山は、5300メートル級だ。

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